バンドワゴン
1953年.MGM
●かつてダンス映画で名声を得たが、今や落ち目の俳優トニーに、旧友のマートン夫妻が彼のために書き下ろしたミュージカル・コメディ「バンド・ワゴン」の舞台化案を持ち掛けてくる。
しかし天才演出家のジェフリーは、気楽な脚本を「ファウスト」の芸術的現代版にしてしまう。そしてトニーの共演者に新進バレリーナのガブリエルを抜擢。こうして彼らは、ジェフリーのアイデアに不安を抱きながら初演を迎えるのだが…


これも私の中のベスト5に入る作品
近所の堤防が決壊しても、このビデオは持って逃げるでしょう。
アステアの役どころが素晴らしい。
落ちぶれつつプライドも捨てず、情けなくて格好いい。
私の大好きなシド・チャリースは、セリフとかちょっと大根なんだけど(笑)
それがまた、いかにも世代の違う若いバレリーナって感じで、衣装も抜群にチャーミングで素敵だ!
他ナネット・ファブレイ(「ザッツ・エンタテインメント」のBOX特典で見たけど、とてもさばけた姐さんだった) 他共演者陣もいい味です。(ダンサーの一人に『略奪された七人の花嫁』のジュリー・ニューマーがいるね。)

この映画は見どころ多いな。
私が好きなのは『靴が光れば』
ハイミスみたいな人と、後ろをついてくるテンションの低い子供も好き。
この場面を見てから、田舎の観光地なんかにあるさびれたゲーム場を見ると、妙に心が踊ります。
・有名なあの曲『ザッツ・エンタテインメント』  変な声でアニメ風のアステアとジャック・ブキャナンとか、ナネット・ファブレイの振りで飛ぶ帽子とか
とくに何もしてないオスカー・レヴァントとか(笑)
『ガール・ハント・バレエ』 当時の世相パロディが分からないので、ナレーションがちょっと邪魔。
赤い衣装で踊るシドと、アステアが最高にカッコいいです。
シドは黒髪だと映えるな〜。
『ダンシング・イン・ザ・ダーク』のダンスも流れるよう。二人とも呼吸をするみたに自然に動きが踊りなので 成り得た場面と思います。

なんか骨とか卵とかが妙〜なコーラスと映って、
失敗した舞台のつまらなさを表現するのはナイスです。
ドアを開けると大熱演!→こっそりドアを閉める、にも笑った。

※待望の日本版DVDが発売されました。ただしシドの「二つの顔の女」未公開場面はなし。
 
巴里のアメリカ人
1951年.MGM
●パリで画家修業を続けるジェリーは、歌手のアンリと友情を結ぶ。 ジェリーは、リズという娘と出会い恋に落ちるが、リズがアンリの婚約者であると知り、リズのことをあきらめようとする…。
モダン・バレエによる洗練されたミュージカルで、ガーシュインの曲がモチーフに使われている。
51年度のアカデミー作品賞、脚本賞、衣装デザイン賞、音楽賞などに輝いた不朽の名作。


一番最初に、ミュージカル映画として自覚して見た映画。
そのため私の中で基準になってる作品。巴里のアメリカ人以前・以後で。

『アイ・ガット・リズム』でジーンがこどもと遊ぶ場面が好き。 うっかり「アイ・ガット…」とフライングしてしまった子供が、口押さえてる(カワイイ)
私はロートレックが好きなので、後半のミュージカルシーンは驚いた。
う〜わ〜絵、そのまんまじゃん!(あの緑色の顔など。)
よく作ったよね…
(ロートレックの絵で、本人に贈ったんだけどあまりにアレな顔なので、受け取り拒否されたというエピソードが 好きだ。※←よくあった)

しかしジーンの白タイツはちょっとどうなんだろう。
本人あの場面やりたかったみたいだけど。
レスリー・キャロンが一番美人に映ってる映画です(おそらく)
花売りのおばーちゃんがエレガントで素敵です。  
ハロー・ドーリー!
1969年.20世紀FOX

●結婚仲介をしている未亡人ドーリーは、堅物で金の亡者の飼料店主ホレスと帽子店主アイリーンを紹介したものの、密かにホレスを愛していた。
ホレスの店員コーネリアスとバーナビーが恋人もいなく寂しがっているのを知ったドーリーは、アイリーンと助手のエミーを引き合わせようと計画する。


ドーリー役のバーブラ・ストライサンドはこの時20代だそうですが、 なかなか堂々とした厚かましさで(笑)インパクト大。(今も映画出てるけど、年取るとイイ顔なんだよなぁ)
ドーリーの自分のための完璧な演出がすごいよ!
計算もここまでくるとアッパレ…
監督ジーン・ケリーなので、時々流れが緩慢なのが難ですが
振り付けはマイケル・キッドだけあって、なかなか面白かったです。
店員の若者コーネリアスがなんだかちょっと大○賢也似なので、ずっと気になってました… っつかあまり美しい人は出てなかった気がします…
(ホレスもオッサンだし)
サッチモの扱いはホントに顔出し程度なので、出演といっていいのやら。
ラストの亡き旦那の許しの証が素敵。
どうでもいいですが、『ハロー・ドーリー!』の曲はデズニー・リゾートに行くとよく流れてます。  
百万長者と結婚する方法
1953年.20世紀FOX
●20世紀FOXシネマスコープ第2弾の
ラブコメディ。人生は金こそ全てと、最高級アパートに引っ越して金持ち男を見つけようとする3人のモデルたちを主人公に、恋の駆け引きが展開される。


>>登場人物
 ・ローレン・バコール(才媛、前夫がアホ)
 ・マリリン・モンロー(ド近眼)
 ・ベティ・グレイブル(天真爛漫すぎ)


マリリン・モンロー映画と思ってたら、主役はローレン・バコールでした。
バコール声低い〜そんでタバコスパスパ〜な感じなんだが、美人さんなのでそれもまたイカスのであった。
コメディとしてかなり面白い。ベティの相手は顔濃すぎるけど(笑)
冒頭のオーケストラシーンは飛ばしていいです。長いから。
しっかしミリオネラ(百万長者)というと「ファイナルアンサー?」
浮かんでくるのね…  
フィラデルフィア物語
1940年.MGM
●ケリー・グラント、キャサリン・ヘプバーン主演のブロードウェイコメディの映画化作品。
結婚を控えた上流階級令嬢トレイシーの下に、2年前彼女から去って行ったデクスターが現れる。未練のあるデクスターは静かなる結婚妨害を試みるが…。
ミュージカル「上流社会」の元映画です。


これは…キャサリン1人勝ち。
キャサリン・ヘプバーンが高慢ちきなのに
とてもキュート。
「アフリカの女王」なんかでもキャサリン・ヘプバーン上手でしたけど
こういうちょっとアホアホしい話のほうが、彼女輝いてる!と思う…
ミュージカルのほうに比べて、人物の描きかたが奥深くてずっと自然なので
お話としてかなり面白いです。(ミュージカルのほうは割と急な展開)
それにしても、セリフも一字一句同じなのでとっても不思議。

ちなみに相手役ケーリー・グラントは、妙に粘着でキモイですよ。
(顎割れてるけど、個人的に苦手な顔) ビングのほうがいいなぁ…
記者役のジェームス・スチュワートは、作家肌でつるんとしていて素敵だ。
(どんな表現か…)  
二人でお茶を
1950年.MGM
●1920年後半の大恐慌時代。
女相続人のナネット(ドリス・デイ)は 友人の作曲家ジミーのショーの出資をを条件に、後見人の伯父と何事にも「ノー」という賭けをする。
しかし実は伯父はナネットの資金管理に失敗して、無一文になったことをを彼女に告げられずにいた。
どうしてもナネットに「イエス」と言わせたい伯父は、
ジミーにナネットに求婚するよう唆す…


このタイトル見て、頭に浮かんだのが「二人でお酒を」なのですが(笑)
曲聞くと、あ〜あの曲!と思いました。ティー・フォートゥー。この響きが好き。
ドリス・デイのあっけらかんとした歌が私は結構すきなんですけど
後年のロマコメのほうが評判いいみたいで、この人…。

話としては、ドリス・デイから全然金持ちオーラが出てない
のが気になる(笑)。お嬢に見えない…
脇の人たちが面白いです。騙されて変な機械に投資してる伯父さんとか
ナンの親友の、とても正直な秘書など…超イカス。

ショーの場面は正直イマイチ。けっこう踊ってるハズなんだけど、
あまり印象に残ってないのね。ダンサーって…やっぱりスター性も必要なんだな。
そういえば、ユニバーサルの若手ダンスグループだった女の子が
ダンサー役で出てました。すっかり大人になって、まぁ…。
「略奪された7人の花嫁」のヴァージニア・ギブソンも出ています。
 
舞踏への招待
1956年.MGM
●全編セリフなしで、バレエ・シーンだけで見せたジーン・ケリーの実験的なミュージカル映画。
MGMは当初公開に躊躇、製作二年後に全米で封切るも失敗に終り、日本では一部と二部のみそれぞれ短編として公開された。
全体で三部(「嘆きのピエロ」「腕輪のロンド」「船乗りシンドバット」)の構成。


第一部 『嘆きのピエロ』
美しきバレリーナに恋したピエロの悲劇。
ピエロのジーン・ケリーが…イマイチ自分大好きオーラが出てるせいなのか ストーカーにしか見えませんでした…バレリーナのマントに頬摺りしとるし…
バレリーナと綱渡りの恋人同士のダンスは美しかった。血のようなマントの表現も面白い。

第二部 『腕輪のロンド』 :夫が妻に贈った腕輪の行方。
これが一番面白かったかな。出てるキャラクターがバラエティに富んでる。
大好きなトミー・ロールが出てます。(タップメインであまり踊り狂ってはおりませんが。) 最後のマリオネットみたいな終わりも好き。
ああでもバレリーナの脚は筋肉質なので、黒ストッキングはダメだよ…

第三部 『船乗りシンドバット』
ほぼアニメのキャラと踊ってるので、正直ジーン・ケリーの一人ショーですよ
だ〜か〜ら〜私は生身の人間の素晴らしい踊りが見たいんだってば!
折角キャロル・ヘイニーとか出てるのに、勿体無いです。
ランプの精の子供は可愛かった!けど、ジーンの振り付けは変。

あまり評判は良くなかったらしいけど、気持ちは分からなくもないなぁ
タイトルどおり、もっと踊って欲しかったのが正直なところです。