アニーよ銃を取れ
1950年.MGM
●シンシナティの町にやってきたバファロー・ビルの西部ショー一座。
町に住む野性的な少女アニー(ベティ・ハットン)は、射撃の競技で一座の看板スター、フランク(ハワード・キール)を負かして憧れの一座に入り、 やがてフランクとも結ばれる。しかし、アニーの人気が高まるにつれてフランクは屈辱感を覚えるようになり、商売敵の一座へと転じる。
そして二人は、ニューヨークで再び対決することになるのだが…。


アニー役のベティ・ハットンがすばらしい。
すばらしいガラッパチっぷり。この人私の知人に動きとかが似ていて、
とても親近感が湧いてます(個人的に)
コブシのきいた歌も、ドンくさいラブ加減も素敵。
相手役のハワード・キール。
でかくて低い声なので、かなりハイリハイリフレハイリホーな感じ。
自分だいすきっぷりがとても良く出ている。(ほめてるのかそれ…)
インディアン差別気味のネタのせいで、今までDVD出なかったとゆー噂もあったけど(※注;本当はアーヴィング・バーリンの権利の関係らしいです)
むしろこの映画アメリカ先住民の方々、『悪役商会』の感覚ですよ。
「じゃ、この場面はあなた達は郵便馬車を襲う役をやってくださ〜い」
「は〜い」「くれぐれも怪我に気をつけて〜。じゃ、かいさ〜ん!」

って感じ…クールだ。

ちなみに特典映像で、ジュディ・ガーランド版の場面も入ってますが
こちらは華やかで都会的なので、ベティ・ハットンの泥臭さのほうが
アニーとしては良かったと思う。
だっていかにもカモメとか撃って食ってそうなんだもん!ベティ・ハットン!  
足ながおじさん
1955年.20世紀FOX
●ニューヨークの百万長者ペンドルトン3世(フレッド・アステア)は、フランスの孤児院でみつけた18歳の娘ジュリー(レスリー・キャロン)の才気と明朗さに感服し、本名は明かさず彼女をアメリカの大学で勉学させることにする。
大学の寄宿舎に入ったジュリーは、約束によって「足ながおじさん」宛に手紙を書きつづけるが、 当のペンドルトンは読もうともしない。
ジュリーの真情に心をうたれた秘書のすすめでジュリーの手紙を読んだ
ペンドルトンは、大学を訪れ、美しく成長した彼女の様子に驚く。


えと、この原作好きなわたくしなんですが…(とくに食べものの描写がステキ…) アステアに、こんな役やらせるなよ〜!
気まぐれでフランス少女に援助して、その後忘れて放りっぱなしとゆー
このペンドルトン氏、かなり印象悪なんですが…
後ろから殴ってやろうかと思った…

他、もうちょっと同級生の描写などキャラが立ってると良かったなぁ
胡散臭い感じで登場して、手紙を読んで号泣する秘書のおばちゃんのキャラクターは ナイスです。

ダンスの神様アステアだけど、バレエの場面はちょっと合わなかったかも。
バンド・ワゴンのようにもっと工夫が必要だったんじゃないの…
などと言いつつもバレエの場面のレスリーはさすがでした。(ここ、レスリーの師匠ローラン・プティの振り付けなんだね…)
ラストの『DREAM』の曲が美しくて、すんばらしいです。  
雨に唄えば
1952年.MGM
●時はまだサイレント映画の時代。
ハリウッドの人気スター、ドンとリナは数々の作品に共演する名コンビだったが、 ドンは高慢なリナにうんざりしていた。ある日、取り囲むファンから逃げ出したドンは、コーラス・ガールのキャシーと出会い、恋仲になる。
そのころ映画はトーキーの時代を迎え、ドンとリナの新作撮影が開始されたものの、リナの美貌に似合わぬ悪声が不評を買う。
そこで親友のコズモの案で、リナの吹き替えをキャシーが務めることになる。


あまりに有名なミュージカル映画、ジーン・ケリー主演作品。
私はタップダンスっておもしろさが全く分からなかったのですが
これ見てう〜わ〜!楽しい〜〜!とはじめて思ったのでした。
私の歴史的作品。(考えてみると幸せかもしれない…)
やっぱり上半身まで動きを合わせないとダメなんだよ!
こんな有名な作品なのに、このときまで見なかったのが不思議。
(いや、以前見ていたのかもしれないけど、記憶にないのね)
この時にデビー・レイノルズやらドナルド・オコーナーやらシド・チャリシとは初対面だったけど、 今や、こんなに彼らの作品を見ることになろうとは。
デビーはもうおでこちゃんで、か〜わうぃ〜〜!と思ってました。
ダンス初心者とは思わなかった…(ある意味、踊れる人より面白かった)

オコーナー氏については別頁で語っておりますが、ジーンの踊りを見なれていたので、あの軽快な身のこなしは衝撃だったです。 っつかジーンとコンビで踊ると、お互いが引き立てあっていてかなり面白い。

シド・チャリシは…今や私の中で、アン・ミラーと並んで大好きな女性
トップダンサーなんですけど、最初の印象が…鼻から煙の人。
っつか幻想の場面で、相手役はデビーだと思ってたから(「巴里のアメリカ人」の印象で。) あれ、なんか背、伸びてる…と。

そういえば子役のちびっこたちが微妙にらしくて、なんか笑ってしまいます。
抱えられて暴れるドン、そしてそのまま持ち去られるコズモ(小)

ワーナーからガンガン廉価版が出ていますが、
ここはやっぱり50周年記念版を買うが良いでしょう。特典映像あるしね。

≫吹替え版
最初に見たのが、テレ東の昼の映画アワーを録画したもので、
吹替えが、ジーン・ケリー=愛川欽也でした。
それよりもリナの声(おそらく向井真理子さん)がすんばらしいアホ声で
VHS大事に取ってあります…あれはもう誰にもできない…
「胸もちぶ(潰)れる思いでしゅ…父上はわだすをランスフィールド
男爵のもど(元)に…」

TV版は、やっぱりかなりカットされていました。
あちこちぷちぷちと3秒だけカットとか細かい、そして不自然でない。
しかしカットされてたのはほぼオコーナー氏の場面だったりする…
いつも上天気
1955年.MGM
●世界大戦が終わり、母国に戻ってきたテッド(ジーン・ケリー)、ダグ(ダン・デイリー)、アンジー(マイケル・キッド)は 10年後の再会を約束してそれぞれの故郷に帰る。
果たして10年後、テッドはギャンブラー、ダグは離婚寸前の広告会社の重役、アンジーは 子沢山で夫婦で安レストランを経営していた。
3人は再会を果たしたものの、お互い気に食わない…


「ザッツ〜3」で見ていて、どうしても見たかった映画です。
シドいいよ!シド。
美人で有能という設定でとても輝いてますな。
ボクシングジムの場面、予想以上にバカっぽい歌で、ダンスも良いし
このためだけでも観た甲斐があったというもの。
やっぱりシドにはグリーンが似合うね。

この映画のジーンは自意識過剰っぽくて好きじゃないのですが(笑)
っつか、秀才という設定はムリがある気がする…どっちかというと 肉体派だろう…
例のローラースケートは素晴らしかった。あのセットで長回し!
ダン・デイリーも重鎮ぽくてコミカルで良かった。
あの酔っ払って踊るのはちと長すぎ…(しかも周りもドン引きだよ!)
どうせなら例のカットされた、マイケル・キッドの子供とのダンスが 見たかったよ〜!あんまり目立たないんだもん。折角出たのに…

ドロレス・グレイはあの歌だけだと、いかつい美女という印象だったけど
通して見ると、とても可愛いな。10キロ頑張ってダイエットした設定とか
真剣にアホなコマーシャルソングを歌ってる姿とか…
舞台セットはちとヴィンセント・ミネリ風味。

これ「踊る大紐育」の続編で考えられていたらしいですが
結果としては、こちらのシニカルさが良かった。 また3人それぞれ別々の道へ…という幕切れもちと切なくていい。
イースター・パレード
1949年.MGM
●ダンサーのドン・ヒューズ(F・アステア)は
パートナーのナディーン(アン・ミラー)に去られ、 意地で酒場の歌手ハナー・ブラウン(ジュディ・ガーランド)を相手役に仕立て上げようとする。しかしダンス初心者のハナーに四苦八苦する…
引退を声明していたフレッド・アステアがカムバックしジュディ・ガーランドと組んで主演、 アーヴィング・バーリンが作詞作曲している。


おおジュディ〜! ジュディのハナー・ブラウンの健気さに尽きるでしょう。
「I Love a Piano」でうって変わって生き生きと唄い出すところなど とっても楽しい。(アステアの楽しそうな顔!)
ドラムマニアの歌で、こどもからウサギ人形をせしめるアステアの大人げのなさとか(笑) タコチューみたいなジュディの顔とか(笑)
見どころいっぱいです。
ラストの「イースターパレード」のジュディの歌の素晴らしさに涙。

アン・ミラー姐さん貫禄たっぷりに見えるけど、
実はジュディより年下なんだよね…
アステアとのダンスはさすがで、グウの音もでません。
(ハナーの気持ちで見ているこちらとしては素晴らしいほどつらい気持ちになる場面…) 完敗です。
  ドンの友人ピーター・ローフォードのハンサムマンぶりもなかなかでした。 (歌は微妙だけど)
オズの魔法使い
1939年.MGM
● 愛犬トトと一緒に竜巻に巻き上げられたドロシーは、魔法の国へと 迷い込んでしまう。「脳みそのないカカシ」「ハートのないブリキのきこり」「勇気のないライオン」たちと繰り広げる不思議な冒険の旅。 アカデミー賞作曲・主題歌賞&特別賞を受賞の、映画史上に残るミュージカル・ファンタジー。

自分の中でジュディ・ガーランド週間なので、まず最初はこれから。
現実がモノクロで、オズの世界がカラーというのが素敵。
私としてはピコピコした声のマンチキン達がお気に入りなのですが
(特に『ペロペロ飴組合』のニヒルな奴)
どーやって撮ったのかと思ったら、本当の小さい人たちらしい。

カカシが男前です。
レイ・ボルジャーはカカシの格好のほうが男前(失礼)
吹替えはマヌケ声なので、原語でのカカシをオススメします。
ドロシー役のジュディ・ガーランド非常に可愛い〜。
プクプクしてて、目がうるうるしていて、歌が上手いんだ〜
そしてやっぱりカカシさんとのコンビにウハウハな私なのでした。
(美少女とにーちゃんカップル)
ブリキの木こりはアイシャドウが濃くて喋り方が公家っぽい濃い顔。
そういえばライオンの登場シーンで、ドロシーが素手でベチン
はたき落とすのが妙に笑える…ドロシ−強いな(笑)

そして、トト(犬)がお利口。
私はどちらかというと動物カワイイ〜と思う性質でないのですが
この犬はかしこくて素直に感心してしまいました。
短い足で、ちこちこと付いてくる姿はもう!すげーなぁトト。
(英語ではトゥ〜トゥ)
今ならギリギリ1500円で買える!(新星堂などで捜せば)
特典映像も一杯ついてる版なので、これで1500円ならお得ですよ
なにせ日本語吹替えも入ってるし!
しっかし1939年(戦前だよ)製作とは思えないほどの映像技術だ。
 
オーケストラの少女
1937年.ユニヴァーサル
●失業中のトロンボーン奏者の娘パッツィ(ディアナ・ダービン)は、資産家夫人の気まぐれの出資話を信じて、父と失業音楽家たちでオーケストラを結成する。
しかしケチな資産家の夫に、話題にならないような話に出資する気は無いと追い返される。
そこでパッツィは有名な指揮者ストコフスキーに指揮をしてもらおうと奔走する…


「皆に幸せをもたらす少女」というので、もっと無邪気で純粋な娘っこをイメージしてたんですけど、 ディアナ・ダービンすごい押しの強さです。
その気力に圧倒。貧乏人のしっかり娘は負けねーぜ!という感じで。
そして大人も甘くないので、打算とか非難とかガンガンします。
心温まるというより闘ってる映画です
お父さんが優しくて気の毒で、娘の早とちりに、「採用されなかった」と
言い出せなくなって 時間をつぶすリストラパパ。今も昔も同じですな。

ディアナ・ダービンというとジュディ・ガーランドと競ってMGM落とされた人…というイメージだったんだけど(笑)
はちきれそうな元気娘。帽子の羽がピョコンとしていてカワイイ。
踊る大紐育
1949年.MGM
●三人の水兵、ゲイビー、チップ、オジーは24時間の休暇をもらい、ニューヨークを訪れた。 あちこち見物して回ろうとする彼らは地下鉄にのるが、ゲイビーはそこに張られたポスターの女性に 一目ボレしてしまう。彼女を捜している途中、チップはタクシーの運転手ヒルダに、オジーは博物館の教授クレアに惚れられる。

これは、500円DVDで購入しました。
500円はやっぱり500円だ…。
映像が荒い。レンタルビデオより荒いです。
まぁ何度も見るところは原始人ダンスとエンパイヤステートビルの場面なのでいいけど。
「この女学者の人すごいな〜」と思っていたら、後日「ザッツ・ダンシング」でタップの女王と称されていたのを知る。
これがアン・ミラー姐さんとの出逢いでした。一目ボレでした。

(後日)ワーナー正規版購入。 ヴェラ=エレンまだぽちゃっとしていてカワイイですね。(ウエスト超細いけど) 腕の振り方が好き。
ベティ・ギャレットはけっこう上手いのにあまり目立たないなぁ…
それにしても水兵3人組、あれだけ観光しまくってて
「もう9時半なのに、まだ何も見てない」って…充分だよ!!