若草の頃
1944年.MGM
●1903年夏、セント・ルイスのに住むスミス一家の次女エスター(ジュディ・ガーランド)は、隣に越して来たジョン(トム・ドレイク)を想っているのが、なかなか親しくなれなかった。ある時スミス家で開かれた兄の送別会で、エスターは、ようやくジョンと親しくなる。 ところが、エスター達の父が突然ニューヨークへ転勤を命ぜられ、一家は引越しをする事となってしまう…
ジュディ・ガーランド週間つづき。原題は「セントルイスで会いましょう」
4姉妹が出てきてお隣の青年とのロマンスが絡んでくるので
こういうタイトルにしたような感じですが。
ちなみにこの家族、5人兄妹だ。(だから何だ)

ジュディ・ガーランド、キレイなんだけど眉毛の形が楊貴妃のまゆげだ…
(昔、漢文の授業で習った。)
当時の流行りなのでしょうか、見慣れると可愛いです。
隣の青年はボーっとした顔〜と思ったら、格好良かった。
父上の家族のこと分かってないっぷりが笑える。
長女のプロポーズ(かもしれない)電話に出ちゃうパパ。
ロサンゼルスに栄転だぞー!と喜び勇んで帰ってくるも、
家族の予想外のブルーな反応に、戸惑うパパ。


5歳の末娘トゥーティが、エキセントリックな性格ですんごいカワイイ。
嬉々としてやってるのが人形の葬式だったり、パーティで
「昨日も一杯ひっかけた〜♪」とか歌ってたり(←兄の入れ知恵)
ジュディとの『ケーキウォーク』は調子ハズレで可愛いです
引っ越す前の日、泣きながら雪だるまを打ち壊すトゥーティに涙。
ジュディの歌う「Have Yourself a Merry Little Christmas」も素敵。
予想以上にに話がバラエティに富んでいて、非常に面白いのです。
帽子コレクターのおじいちゃんのダンディーさも見逃せません。

≫DVD特典映像
・ついでに特典映像について。
メイキングにマーガレット・オブライエンが出ていてホクホクだったのですが
ちょっとジュディ寄りの作り(まぁ当然か)。
個人的にトム・ドレイクについても欲しかったなぁ… (ああいう顔好みなので。「ワーズ・アンド・ミュージック」のちょっと痩せてた頃とか。)
しかしあのパパの歌がアーサー・フリードとは知りませんでした。

予告編でつづるジュディ物語とか(晩年の作品も見られる)
ガム・シスターズで歌うちびっこジュディも可愛かったけど、
ここでTVドラマ『MEET ME IN St.LOUIS』を。
調べたら1966年製作だそうなので、ほぼ20年後ですね。
アメリカンホームドラマらしく、観客の笑い声も入ってるよ!
あとお母さんが、どっかで見たと思ったら『上流社会』のシナトラの相手役
セレスト・ホルムでした。
10年経ってるのに、前より美人になってる…
エスターもジョンも幼馴染の設定で(原作に近いのかな)、キャラも全然違うので、 映画と別物として楽しめます。
トゥーティはこっちでもやりたい放題だけど(笑)
っつか、どうぶつ放し飼い状態…
若草物語(1933年)
1933年.RKO
●ルイザ・メイ・オルコットによる不朽の名作を、ジョージ・キューカー監督が映画化。
南北戦争たけなわの1864年、アメリカ東部の町コンコードで暮らすマーチ家のメグ(フランセス・ディー)、ジョー(キャサリン・ヘプバーン)、ベス(ジーン・バーガー)、エイミー(ジョーン・ベネット)の四姉妹 それぞれの愛と運命を描く。
アカデミー賞脚色賞およびヴェネチア国際映画祭最優秀女優賞受賞。


世にも有名な原作は少女期に児童版で、娘期に再読(続編含む)しましたが、 原作を超えた!とかいう評判のキューカー版、よくまとまった佳作です。 あの原作のお説教臭があまり無いのがいいな。
キャサリン・ヘップバーン24歳、ちょっと少女にしてはフケて見えるのが 難かな。ニューヨークに行った辺りから俄然良くなってきます。
キャサリンは田舎娘より、都会の女の雰囲気なんだよね…
エイミー役のジョーン・ベネットが、キュートで小憎らしくてどこか上品で、
まさに1930年代の女優さんの美しさね。
ローリーのボンボンぷりと、ベアー教授のもっさり具合が素敵。
大人になったローリーのヒゲはどうかと思うが(笑)。

ところでこのオープニング曲、49年MGM版でも使われているので
見比べていてフシギな感覚でした。
若草物語(1949年)
1949年.MGM
●ルイザ・メイ・オルコットの不朽の名作小説の2度目の映画化作品。 南北戦争の時代。
メグ(ジャネット・リー)、ジョー(ジューン・アリソン)
エイミー(エリザベス・テイラー)、ベス(マーガレット・オブライエン)の四姉妹の成長や生と死、そしてそれぞれの愛の日々を描く。
マービン・ルロイ監督。アカデミー賞では美術監督および装置賞を受賞。


豪華なキャストの49年MGM版若草物語。
とくにジョーのジューン・アリスンがどこか女の子らしい柔らかさがあって
ええのう…(このとき31歳!本当か…)
ダブル若草(の頃)出演のマーガレット・オブライエンはやっぱり上手いね。 病気になってゾンビのように玄関に立っているところなどの凄味。
ベスが亡くなるのは直接描かれないで、かえって切なくて良かったです。
メグ役のジャネット・リー嬢は、後年の「マイ・シスター・アイリーン」とは 比べものにならないほど美人だ…
美人と言えばエリサベス・テイラー、エイミー役やりたくてゴリ推したとか
色々言われてるようですが、私リズ嫌いじゃないんだよね…
っつか、こんなに高慢ちきで自分勝手に描かれてる役よくやったよ…
原作の、ビンボーなのに食べ物を人にあげてしまうという偽善ぶりが まったく理解できなかった私は、「自分だけは食う」 どんな手使っても!
というエイミーの人間味あふるる姿に笑わせてもらいました。
美人なのに食い意地きたなくて、萌え。

しかし男性はヘタレてますね。。
ローリーはピーター・ローフォードでヘタレ度さらに増。
ベアー教授は何だあの甘えたキザ野郎は!ボタンくらい自分で付け! オペラなんぞ一人で行け!
我が道を往く
1944年.パラマウント
●ニューヨークの下町を舞台に、古い教会に赴任してきた牧師が教会を建て直すために活躍する。出演はビング・クロスビー、バリー・フィッツジェラルドほか。

暗そうなタイトルですが、ほのぼのとした話です。難しくもないです。
(原題は「ゴーイング・マイウェイ」だしね。)
相変わらずビング・クロスビーは飄々としてます。
神父なのにゴルフ好き。(それビング本人じゃないか)
型破りなんだけど強引ではなく、あくまで飄々としてユーモラスです。
何より神父服かっこええ!(そんな視点か)
古き良きおとぎ話ですが、彼がスーパーマンなどではなくて、けっこう手段も堅実なところが却ってリアルだと思うんですが、いかがでしょう。
先任の老神父バリー・フィッツジェラルド(オスカー助演男優賞受賞)も帽子をちょこんと乗っけて可愛らしい。

それにしてもオマリー神父ってどこかで聞いたことある…と思ったら、
「エクソシスト」じゃないか…嫌な記憶だ。


10月末に手頃なDVDが出たハズなのですが、あまり店で見ません。
そして某サイトに「生産中止」の文字が…(なんで!)  
DVDはけっこう面白い作りで、チャプターがあらすじになってます。
我が家の楽園
1938年.コロムビア
●大富豪カービーは商売を拡大するため土地を買収しようとするが、ある変わり者の一家の反対でなかなかうまくいかない。
カービーの息子のトニー(ジェームズ・スチュアート)は秘書のアリス(ジーン・アーサー)に夢中だが、アリスこそはその頑固一家の一員であった。
トニーはある日アリスの家族と自分の両親を会わせるのに一計を案じるが、それがとんでもない騒動を引き起こすことになる。


この変わり者一家の構成がちょっとよく分からないのです。
(それは他人もいつのまにか一緒に暮らしてるから…)
祖父と、父母と娘たち、娘の夫、あと仕事仲間のじーさんなど。
アン・ミラー姐さんが次女役で出ています。常にバレエを踊ってる娘。
またこれがヘタなんだわ…(笑)←そういう設定でもあるが
ちなみに彼女はちょっと髪の薄い愉快な人と結婚してます。(何歳なんだ)
自分のやりたい仕事だけをやって生計を立ててる家族なので、
世間から浮いてる。でも近所には大人気というフシギな家族…
そして超イカスおじーちゃん。
ジェームズ・スチュアートが金持ちの息子なのですが、かなりのアホボンなので、 だんだん見てて腹立ってくるのですが(笑)
そこは長女がうまく鬱積を晴らしてくれるのですよ。
あれよあれよといううちに、大富豪が大不幸(ダジャレか…)に。
だんだんきのどくになってきます。
最後は気持ちのよい大団円なので、落ち込んだときに見るがいいよ。

それにしてもアン・ミラー姐さん、当時14歳でも既婚者の役…

私を野球につれてって
1949年.MGM
●20世紀の初頭、女性オーナー(エスター・ウィリアムス)に買収されてしまった野球チーム「ウルブス」の選手たちが繰り広げる恋模様をコミカルに描いたミュージカル映画。
日本では劇場未公開に終わっているが、その主題歌は現在も米ダイリーグの試合でしばし愛唱されるほどのスタンダード・ナンバー。


見る前、エスター・ウイリアムスは高慢ちきなオーナーという予想だったのですが(某『メジャー・リーグ』の女オーナーのイメージが…) 男供にバカにされてもくじけない美人さんで良かったです。そして意味無くプールで泳ぐシーンもある。 だってエスター・ウイリアムスだから。
美人オーナーに憧れる少年のようなシナトラは可愛かったです。でもエスターは結局ジーン・ケリーとくっつくんだよね、つまらん…
ここでもベティ・ギャレットがシナトラにゾッコンの積極的なお嬢さん役で出てますが、「踊る大紐育」よりキュートですよ。